Beranda / 現実ファンタジー / 銀の怪盗は真夜中に覚醒する / 第16話 思いがけない、高揚感

Share

第16話 思いがけない、高揚感

Penulis: 黒瀬 蓮
last update Tanggal publikasi: 2026-07-09 20:16:35

玄関を出た瞬間、俺は足を止めた。

「……この格好で外は無理だな」

 黒い仮面、銀髪……

 どう見ても不審者だ。

「あっ忘れてた!はいっ!」

 白いパーカーが、黒いインナーに変わる。

 白いマントとジャケットが、ふわっと肌に触れた。

 肩の上で、ログチーが自慢げに呟く。

「やっぱ、シルバーは正装じゃないとね」

 ログチーを横目に、ため息がちに呟く。

「……まあ、どっちみち不審者だな」

「どうするシルバー?」

 俺は黙って、周囲を見渡す。人の気配がないのを確認して——

「上から行く」

「え?」

 軽く膝を曲げ、そのまま、地面を蹴った。

「うわっ!?」

 ログチーの声が裏返る。

 一気に塀を越え、そのまま隣家の屋根へと飛び移る。

「っと……」

 軽く着地。

 地面が、思っていたよりずっと遠い。

(落ちたら終わりだな……)

 額に汗が滲む。

「ちょ、ちょっと待ってシルバー!」

 ポケットの中からログチーが顔を出す。

(何だ、この身体の軽さは…)

 視線を前に向けると、夜の街が、広がっている。

 屋根、屋根、ビル、足場には困らない。

「……行ける」

 建物から、建物へ飛び移る。夜風を切る音。身
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   第63話 自分の力で立つ

     パァンッ!! 三方向から銃声が鳴り響く。 終わった……そう思った瞬間── 銃弾は俺の頭を打ち抜くこともなく、背後の壁へ突き刺さった。「……え?」 思わず声が漏れる。さっき見た映像《ビジョン》では確かに俺は打たれてたはずなのに……。未来が変わったのか……? ──ガンッ!! 突然、ビル全体を揺らすような衝撃音。仮面の男たちが一斉に振り向く。「……何だ?」 暗闇の奥に一人の男が立っていた。銀色の長髪、夜風に揺れる白いマント。 仮面の男たちが銀髪の男に向かって一斉に銃口を向ける。「新たな対象を確認」「危険度を再評価──」 打とうとした瞬間、銃声は鳴らなかった。引き金を引こうとした仮面の男が固まる。「……あぁ?」 手にあったはずの銃が消えている。「な、何をした!?」 銀髪の男は肩を竦める。「ちょっと借りただけだ」 口角を上げ、余裕の表情。まるでゲームでも楽しんでいるように見える。 別の仮面の男が銀髪の男に向かっていこうと踏み出すが、 ガクンッと突然足がもつれたように前のめりに倒れ込んだ。 さらに三人目の仮面の男は、銀髪の男と距離を詰めてこようとするがいつまでたっても目の前にいるはずの銀髪の男に全く近づけない。「なぜだ……」「なぜ届かない……!」 仮面の男達が明らかに戸惑っている。 銀髪の男が静かに笑う。「つまらんな……」 攻撃も当たらず、近付けず、さらに武器が消えているのに銀髪の男は一歩も動いていない。「……すげぇ」  銀髪の男が振り返り、俺を真っ直ぐに見る。「助けるのは前回だけだと言ったはずだが?」 不敵に笑う。「……アルジェント、俺……」「話は後だ……。体勢を整えろシルバー」「はは……。でも俺、身体が動かね……あれ?さっきより身体が軽い」 アルジェントが、フッと笑う。「とりあえずそこの若者を逃してやれ」 指差す方向には樹が倒れている。俺はアルジェントを見てコクンと頷いた。◻︎◻︎◻︎ 気絶している樹さんに声をかける。「……樹さん、おい!大丈夫か?」 樹が目を覚ます。「……あ、ああ……すまない。足手まといになってしまって……」 弱々しく答える樹。「……いや、俺の暴走を止めたのは樹さんだ」「ありがとな」 俺の言葉を聞いて樹さんは少し照れ臭そうに笑った。「とにかく、樹さんは今す

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   第62話 シルバー絶体絶命!?

     Kurokawa-Project …… 思わず息を呑む。 黒川……俺と同じ苗字。これは偶然か? いや、黒川なんて苗字は珍しくない。  ブラックカンパニーの社長がたまたま同じ苗字なだけ……「キミ、どうした?」 樹さんの声で、我に戻る。「……いや」 そう答えたその時、 ……カツン。 静まり返ったフロアに音が響く。 俺と樹さんは同時に顔を上げた。 ビルの奥。 暗闇の向こうから、ゆっくりと足音が近付いてくる。 カツ、カツ、カツ…… 迷いなく向かってくる足音。 まるで最初から俺たちの場所を知っているみたいに。 嫌な予感がした。俺は反射的にUSBケースを見た。 ケースの裏側。小さな赤いランプが点滅している。「発信機……!」 親指ほどの黒いチップ。 俺はチェーンの先端を引っ掛け、一気に引き剥がし、足で踏みつけた。 バチッ!と火花が散り、赤いランプが消えた。 樹さんの顔が青ざめる。「まさか……追跡されていたのか!?」「……多分な」 背中に嫌な汗が伝う。足音は近くまで来ている。さて、どうする? 樹さんを見る。手が震えて顔が青ざめている。「樹さん」「え?」「今すぐ逃げろ」「なっ!?」「情報を持ってるのはアンタだ。捕まったら全部終わる」「でもキミは!」「いいから行け!」 そう叫んだ瞬間だった。 バンッ!! 奥の扉が吹き飛ぶ。 舞い上がる埃。その中から現れたのは、黒いスーツ、無機質な白い仮面、そして、銀色の銃。「対象を確認」 低い声が響く。 男の銃口が真っ直ぐこちらを向いた。「USBの回収を開始」 冷たい声。 人間というより機械みたいな喋り方。樹さんが息を呑む。俺は一歩前に出た。「樹さん、走れ!!」 男の指が引き金にかかる。 その瞬間、心臓の鼓動が大きく跳ねた。視界が妙に鮮明になる。 男の肩、腕、指、脚、全ての動きが見える。(右に撃ってくる!?) そう感じた瞬間、身体が勝手に動く。 パンッ!! 銃声が響く。俺は床を転がるように飛び退いた。弾丸がさっきまでいた場所を貫く。「……何だ?行動が見える」 いや、弾丸が見えたわけじゃない。 男が撃つ前の動きが妙にはっきりしている。まるでそこだけ時間が遅くなったみたいに。「シルバー!」「何やってんだ!早く行け!」「でも!」「いいか

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   第61話 謎の会社

    〜ログチーside〜「とにかく大地と合流しなきゃ!今日は大地を独りにしたらダメだから、シルバーの家に連行しよう!力づくでも!」 分身が元気よく頷く。「うん!大地くん助ける!」(フンスッ) ログチーが頭を抱えながら呟く。「…シルバーはそんな話し方しない!」「でもぉ……」「でももだってもない!顔もなんか情けないし!」 分身はしゅんと肩を落とす。「とりあえず眉間にシワ寄せて、不機嫌そうな顔してよ!」「う、うん!」 分身は頑張って険しい顔を作る。「よし!それ!それだよ!」 その時、大地がこっちに向かって白石と歩いてくる。「あ!大地だ!」 ログチーは分身の肩に飛び乗った。「オレが言葉を伝えるから、お前はそのまま同じことをシルバーっぽく言え!」 振り向いた大地が目を丸くする。「紫音?」 隣にいた白石も小さく呟く。「黒川くん…」 分身がログチーに言われるがまま話す。「おい大地、ちょっと顔貸せ」「は?」 大地が眉をひそめる。「俺、白石送る途中なんだけど」 白石は慌てて手を振った。「だ、大丈夫だよ?私、家はもうそこだし」 道の先を指差す。「長瀬くん、今日はありがとう……」 そう言って軽く頭を下げ、白石は走って去っていく。残されて、名残惜しそうな大地。 大地はため息をつきながら、呆れたようにこちらを向く。「…何なんだよ、邪魔しやがって…」 下を向きながらブツブツ話す大地。「いいから!今から俺と来い」「は?何言ってんだ?」「来い!」 珍しく強引な紫音に、大地は首を傾げた。「……お前、なんか変だぞ?」 ログチーは焦る。(やべっ!) 背中に貼り付いていたログチーは思わず分身の肩を噛んだ。「いっ!」 分身は再び不機嫌そうな顔を作る。「とにかく、俺の家に来い!」「はぁ?ま…いいけど、さ」 渋々ながら大地は了承した。 紫音の家。「…た、ただいま」(キリッ)  由紀子がリビングかは顔を出す。「おかえり紫音。…あら、大地くんも」「こんばんは、おばさん」 大地は軽く頭を下げる。 由紀子は二人を見ながら首を傾げた。「平日なのに珍しいわね。どうしたの?」 分身は少しだけ間を置いてから答える。「…き、今日、大地泊まるから!」「え?俺、泊まるん?」   大地が分身を見る。 分身は眉間に皺をよせな

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   番外編 永遠の陽だまり

     桜が散って新緑が顔を出し、少しずつ暖かくなる5月。この頃になるとふと子供の頃を、思い出すんだ。 ――大好きだったばあちゃんのこと。 子供の頃、俺は泣き虫だった。 そんな俺をばあちゃんは、いつも優しく抱きしめてくれた。 変な百面相をしながら、笑わせてくれた。「泣きたい時は、泣いていいんだよ」「我慢する必要はない」 優しく微笑む。「…だけど、俺は男だし」 グッと拳を握る。 そう言うとばあちゃんは俺の手を握って「男の子だって泣いたらいい」 そっと俺の目に溜まった涙を拭いながら、頭に触れる。「我慢するとな?」「我慢すると…?」 ばあちゃんを見つめる。「顔が水ぶくれになるー!」 自分の顔を左右に伸ばしながら、脅かすようにばあちゃんが言う。「なにそれー?それは嫌だー」 泣いてたのが嘘のように笑みが溢れた。 ふふっと笑いながら、ばあちゃんは続ける。「でも…」「誰かを守るために、泣くのを我慢する姿はカッコいいかもしれないね」「そういう男になるんだよ」 頭をポンポンと叩く。「それって、じいちゃんのことー?」 何気に聞いてみる。 ばあちゃんは少し照れくさそうに笑った。 それから5年後―― 突然の出来事だった。 昨日まで話していたのに、急な訃報。 笑ってる顔しか思い出せない。 信じられなくて、ただ走った。無我夢中で。 間違いであってほしいと願いながら―― 家に着くと、何だか空気が重い。 自分の家ではないような感覚。 母さんも、父さんも、じいちゃんですら何も言わない。暗い空気の中、押し黙っている。 目の前の布団に横たわるばあちゃん。 顔に血色がない。 ただ眠ってるだけで、今にも目を開けそうなのに―― そっとばあちゃんの頬に触れる。「……っ!?」 冷たい。 硬い。 まるで人形のように、動かない。 何とも言えない感情が押し寄せてくる。 気づくと涙が溢れていた。 どうしようもなく、悲しくて… 気づけば、母さんも、父さんも泣いている。 いつも飄々としているじいちゃんも、声を押し殺して泣いている。 その姿が、余計に俺に現実を突きつけてくる。 ふとばあちゃんの言葉が頭を巡る。「大好きな自慢の孫だよ」「泣くとブッサイクだねー」「紫音のお嫁さんが見たいねぇ……」「人に優しく、困ってる人を助け

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   第60話 消えかけている顔

     大通りには人がたくさんいるのに、車の音も、人の声も、まるで何かで包まれたみたいに音が薄く聞こえる。「……なんだ、これ」 左耳の熱はまだ残っている。  ピアスが脈打つたびに、周囲の景色がわずかに揺らいだ。 さっきの音は──  やっぱり耳《ピアス》で鳴ったんじゃない。『忘れるな』 その言葉が、今度は耳の奥じゃなくて、大通りのざわめきの中に混じって聞こえた気がした。 ピロリン、ピロリン…… スマホの着信音が鳴り、呆然としていた坂中がハッと我に返って電話を取る。「…お兄ちゃん?」「え?よく聞こえない…」「う、うん……。わかった」 坂中が電話を切る。「何か、あったのか?」「さっきの電話って、探してたお兄さん?」 坂中が眉をひそめる。「…なんで兄のこと、知ってるんですか?」「いや、さっきお兄さんの話してたじゃん?」「えっ?」「私が?」「ああ…」「なんか、必死だった。必死に事故のこと聞いててさ」「事故……?」「ごめんなさい、思い出せない」「とにかく私、行かないと…」 坂中はスマホを握りしめる。その手はわずかに震えていた。「待て!」 坂中の腕を掴む。「悪ぃけど、俺もついていく」「え?なんで…?」 何かお前に起こるかも…なんて言ったって信じてもらえねぇ…。でも── 「理由は言えない。けど頼む…」 坂中は困ったように視線を落とした。 この人、一体なんなの? なんで、こんなに必死なの? 名前も知らない。 信用できる理由もない。 本当なら断るべきなのに。 でも―― 兄のことを考えると、一人で行くのは怖かった。それに、理由はわからないけど、この人は大丈夫な気がする…。ただの勘だけど。「……わかった」 坂中は少しため息をついた後、小さく呟いた。〜ログチーside〜「シルバー!絶対に!絶対に無事に戻ってきてね」 紫音を見送りながらログチーは叫んだ。声が届いたかどうかはわからない。「シルバー…」 ログチーの心配をよそに分身はログチーを撫でてくる。「わぁ、柔らかいなぁ…」 分身を見るログチー。「…なんか気持ち悪い!」 ログチーは分身から降り、地面に立つ。「キミはシルバーの分身!しっかりしてよ!ニセシルバー!」「ちゃんとしてくれないとさ、オレが残った意味ないし!」「う、うん!わかった!

  • 銀の怪盗は真夜中に覚醒する   第59話 鳴り響く忘却の音

     誰もいない公園。 街頭も少なく、周りは完全に夜になっていた。 分身―― 分身を出す時は、どれくらいの時間かを思い浮かべないと丸一日分身を消せない。無理やり消そうとすると、俺にその代償が降りかかる。 難儀な能力。 俺はピアスに手をあて、目を瞑る。 目を開けると、目の前に俺そっくりの分身が姿を現した。ちなみに土下座はしていない。 分身を見る。何となくまだオドオドしている。 小さくため息を吐く。「……あの、さ、分身。ちょっと頼んでいいか?」 分身はなぜか涙目でコクコクと頷く。「シルバー様ぁ…」「その顔で涙ぐむな!気持ち悪ぃ」「あ…いや、悪ぃ。そういうことが言いたいんじゃなくて、お前にしか頼めないことがあるんだ」 分身が俺を見つめる。「…俺が戻るまで、大地と一緒にいてくれないか?とにかくアイツから目を離さないでやって欲しい」「万が一、大地に何かあるようなら、意地でも守ってくれ…頼む」「……シルバー、様」 忠告したのにも関わらず、分身が泣き出す。「泣くな!同じ顔で泣かれると超不快なんだよ!」「ヒック…だって…シルバー様、ヒック…こないだ冷たかったのになんだか今日は優しくて」「うるせぇ…」 ため息をついた後、分身に言う。「…とにかく頼めるか?」「てか、お前にしか頼めない」 分身はコクコクと頷いた。 ログチーが心配そうに俺を見る。「シルバー?大丈夫なの?」「分身何するかわかんないよ?」 ログチーに視線を向ける。「…ログチー」「……お前は分身とここに残れるか?」「えっ?それって…」 ログチーが肩で不安そうに俺を見る。「今回は俺一人で行く…」「シルバー…」「頼むよ、な?相棒」「わかったよ…シルバー」「…サンキュ、大地のこと頼むな」ログチーを分身の肩に乗せ、頭を撫でる。「さて…」「ログチー、変装して行く!頼む!」「オッケー!」 俺の髪が銀色に変わる。 黒の帽子に、黒縁眼鏡、白のアウターに黒いパンツ。腰にはチェーン。「…よし」 俺は目を閉じて、頭の中でイメージする。 時間のズレ、空間を掴むようなイメージ。昨日の時間、昨日の夕方へ。 空間が歪み始める。足元の感覚がなくなる。 画面が真っ白になっていく。 ログチーの声が、かすかに聞こえた気がした。 目を開けると、周りは夕焼けが差していた。

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status